古民家の再生
建築年代が明治大正、さらには江戸時代までさかのぼる古民家は、地域の大切な歴史文化遺産です。
長い時を経て黒ずみ傷んだ古民家を再生し、美しい姿を長く維持させる技術を、エース・リフォームは持っています。
上方では、神社仏閣、神輿屋台などを洗浄・修理する「洗い屋」さんが多く活躍しています。エース・リフォームは、職人技の丁寧な洗浄・アク抜き・塗装技術により、信州・長野県の「洗い屋」としての実績を重ねています。
シロアリ被害や耐震などへの対策、リフォームもお任せください。
施工例
古民家「中村家」様(施工:2011年秋)築およそ300年の古民家「中村家」様にて、アク抜き洗浄と伝統的な柿渋塗装をさせていただきました。
中村家江戸時代から名主を務めた家で、高遠城下へつづく街道沿いに建つ。道に面する表側をすべて格子戸で囲み、城下町民家の特徴がよく残った貴重な建物。18世紀中ごろの建築と推定されており、『長野県史』『高遠町誌』などにも記載されている。 |
道路に面した部分の洗浄、木部アク抜きおよび柿渋塗装、漆喰部塗装(ケンエース)、軒樋塗装、玄関戸ガラス入れ替え・戸車交換、土台部化粧(焼杉板) |
見事な格子戸は長年のアクで黒ずみ、庇や軒げた、格子の下部などは、緑色のカビで覆われていました。 雨だれのしぶきがかかる玄関脇の土台は腐食が進行。 今回は予算などの関係で根本的な修理は行えませんが、応急処置として杉の焼き板で覆い、景観を回復させます。 |
1 洗浄近隣のお住まいにご迷惑がかからぬよう、シートやメッシュで養生を行ってから、高圧洗浄機で2階と1階を洗浄。白壁などはこれだけでもかなり汚れが落ちます。 |
隣家境を養生 | 格子裏を養生 | 洗浄開始 |
300年分のホコリを洗い流し | 2階も洗浄 | 漆喰壁も |
2 アク抜き剤散布塩素系の薬剤を噴霧器やハケで塗布。黒ずみが消え、汚れを吸着した泡がみるみる浮き上がり、本来の木目が美しく現れてきます。同時に殺菌も行われています。 |
散布開始 | 早くも色が変わってきました | 細かい桟の部分も |
薬品が浸み泡が出てきます | ハケも併用 | 木目がくっきりと復活 |
回を重ねて塗布 | 木部から白い泡がびっしりと |
3 洗い流し浮き上がった汚れを高圧洗浄機で充分に洗い流します。 |
4 乾燥・ケレン数日の乾燥期間を置いたのち、サンドペーパーやブラシなどを用いてケレンをかけます。 |
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5 塗装古民家本来の趣を保つため、伝統的な天然素材である「柿渋」を使用。塗装してから日がたつにつれて深みが増す色合いと、天然タンニンによる防水・防腐効果が実現します。 |
柿渋とはポリフェノールの一種である「タンニン」を含む青柿を発酵させて作る。自然で趣のある赤色が特色で、防腐、防水など幅広い効果あり。 |
目立たない部分で試し塗り | 本格的に塗布開始 | 独特の赤色 |
隣家近くはハケで | 玄関格子戸塗装 | 塗装完了、乾燥 |
6 白壁、雨樋塗装漆喰部分にはつや消しの「ケンエース」を二度塗り。雨樋やトタン製鼻隠しなども塗装。 |
かなり進んできました | 漆喰部分(塗り1回め) | 漆喰部分(塗り1回め) |
漆喰部分(塗り2回め) | 雨樋も美しく | 家内安全のお札 |
7 腐食部覆い、ガラス戸修理お施主様の希望により、傷みの激しい土台部分に杉の焼き板で覆いを施します。予算の都合上、今回はあくまで応急処置ですが、美しい景観が保たれます。 |
洗浄前の土台 | 板をはめこむ部分をノミと丸ノコで刻みます | |
幕板用の杉材を焼き板加工し、傷んだ箇所を覆う作業。まずははめこむ部分の土台をノミや丸ノコで削ります。 | ||
部材の一部を切除 | ボロボロに腐食しています | |
刻み |
用意された焼き杉板 |
板材カット |
板取り付け | 長さも厚さもぴったり | 完了。あとは柿渋塗装 |
ガラス取り外し | カッティング | 交換完了 |
8 工事完了 |
↑塗装4日後→ |
↑塗装3週間後 | ↑塗装3週間後→ |
ご近所への丁寧な対応、プロ意識を感じる職人の仕事ぶりなども心に残りました。」
日本伝統の木造民家はわたしたちの宝。
百年、二百年先まで保存・継承できるよう、エース・リフォームがお手伝いします。